2020
国試になんとか受かったけど茨の道でしかなかった2020年
慣れない仕事、環境
飲み会や会食ができずあまり濃い繋がりができない、でも患者のためには病院のいろんな人とうまいことやっていかなければいけない
研修医の今しか遊ぶチャンスないでってどやされるけどこれもまたコロナでチャンスはない。
手技の機会は減り、講習会は受けられなくなり、でも自力でなんとかして目の前の患者を救わないといけない。
この碌でもない世の中で自分の支えは鬼滅の刃とTwitterくらいでした。本当にありがとうございました。簡単にですが2020を振り返ります。
1〜3月
模試とそんなに変わらん点数だったのに周囲のインフレについていけず合格発表の日まで不安だった。精神的に不安定だったのでこの時のことほとんど覚えていない。
4~5月
外科ローテ
コロナで勤務を始められない、オーダー出せない、自分でできることほとんどない、基本見てるだけ、まじでやる気がかけらもない時期だったと思う。春先の俺にCVポートは無理げだった。GWに鬼滅の刃を全巻読んだ。
6〜7月
内科ローテ
できることが増えてきたけどまだエコーを全然やる機会がなかったのもあり救急外来で使い物にならなかった。2年目の先生には怒られるし当直が嫌いだった。
8〜9月
内科ローテ
挿管、ルンバール、CVを全て成功させて調子こいてた時期。小児科学会発表の話を持ちかけられこの頃から徐々にやる気を出すように。2年目の先生に見てもらいつつ隙を見ては必要のある患者さんにエコーを当てまくっていた。久しぶりに実家に帰れた。
10~12月
救急ローテ
うちの病院は救急ローテだけ3ヶ月ある。
鬼滅の刃を観てからさらにギアが上がる。努力の仕方がわかってきた時期。仕事終わった後も研修医室で机に向かうという鬼畜な生活を続けていた。モチベがバグってた。外来で患者を診つつ1ヶ月にスライドを複数こなす生活は相当きつかったけど充実していた。誕生日は濃厚接触者として引きこもり、クリスマスは両日当直。帰省はできない。最後は血も涙もなかった。
・必要な検査と介入を見極める力をつける
・無駄のない診療
・患者さんに還元できる勉強
ができるようになるのが来年の目標です
P.S
twitter繋がってる先生方で、ブログ書いてる先生でリンク貼ってほしいなど希望あれば対応させていただきます。ってかぜひ声かけてくださいかけてくれたら泣いて喜びます。
手技に対する考え方
研修先には手技をたくさんやらせる病院とそうでもない病院がある。別にどっちがどうとかではないしそういうのは私が言うべきではない。あくまで前者で研修してる身として書いていく。
1.手技は準備が8割
どの手技にも言えると思う。そしてよく指導医に言われる。手技は実際に手を動かさないと上達しないのはまあ間違い無いとは思われるが、勉強してない人には任せられないよってことをよく言われる。準備というのは患者さんの姿勢とか道具の用意とかも勿論である。CVとかならきちんとフラッシュしてエアを抜く、血が固まって逆血わからなくなるのを防ぐ、道具を使う順に並べておく、など。気をつけるだけでもかかる時間とかは結構変わってくるだろう。
2.研修のゴールは手技ができることじゃない
ルンバールが入らなくて手を代わってもらった時にオーベンからこのようなコメントをいただいた。確かに手技ができても、救急外来とかだとそのあと看護師さんにきちんと指示できなかったら現場は回らないわけだし意味がない。きちんとラベルが出てるのを確認して、後始末までしてそこで手技ひとセットということに気をつけたい。
3.どこまでできるようになればいいのか→救急外来でスムーズに実践できるレベル、あとはCVポート
これは言われたことというよりあくまで私の意見です。患者さんに針を刺す場面は外来だったり病棟だったり色々あると思われるがその中でも一番緊張感のある場面は救急外来だろう。勿論他の場面でもちゃんと緊張感を持ってやることは大事だけど。だからあくまで自分は救急外来で自信を持って私がやります!って言ってできるのがその手技のゴールだと考えている。
あと、来年が終わるまでにCVポートきちんとできるようになりたい。単純な難易度で言うとAラインの方が難しいんだろうけど、CVポートには
・エコー手技(ドプラで確認、血管走行と針先を追う)
・穿刺、外筒留置の手技(片手でスムーズにできるか)
・カテーテル操作(ガイドワイヤーを死守する、他にも重要になってくる手技は多い)
・留置部のポケット作成、ナート(外科的手技)
っていう4つも要素がある。しかも全部きちんとできないと安定しない。来年放射線科行ったらたくさん経験したい。
研修医3ヶ月終わって
やっとこさ帰省できて時間できたのでまとめる。
〜1ヶ月
自分は外科からスタートだった。これは仕方ないことなのかもしれないがどうしても外科ローテは見学ばっかりになってしまうらしい。それでも創部処置とかは参加すること多かった。緊急オペあった次の日当直とかあると本当にキツかった。あとはそこそこ忙しくてあまり当直の勉強ができないのが痛かった。もちろん病棟管理とかやる機会も少なかった、だいたいオペ室いたし。
〜2ヶ月
5月病にはならなかった。なっているだけの余裕がなかった。オペ室での生活が続く。手技的には初めてCV刺せた程度。血ガスも安定はしてなかった。勉強して少し解剖の知識がついたけど、全身管理とか薬の使い分けに関してはまだまだ。脳外科を回ったあたりから神経診察とかNIHSSとかとる機会多くなったのでだんだん身についていった。自分が回った時は結構搬送多かったらしい。全身管理がわからず苦しんだ。
〜3ヶ月
この頃あたりからキツくなる。あれだけ刺してたのに血ガスすらまともにできない、当直とかになってもエコーとかがっちりやってるわけではないので全然役に立てない。ローテ科の勉強だけで手いっぱい。どんどん差をつけられてる気がして辛かった。救急科スタートの人はやっぱ知識量すごいと思った。
〜4ヶ月
神経内科のローテスタート。一人で回っているからか手技の機会を独占できた。ルンバールはほぼ毎日1本は刺してた気がする。どうしても当たらない時は看護師さんにもう少し体丸めてもらうと、椎間が開いて当たりやすくなって解決する。看護師さんありがとう。気管挿管もCVもチャンスがあり、ものにできた。血ガスもスランプを抜けた気がする。病棟管理もかなりやるようになり、前よりはできていると思う。あくまで前よりは。
〜現在
7時20時デフォで空き時間がない日が続き、やはり当直の勉強の時間はなく。当直をしっかりと回せず2年目の先生にもたっぷりと灸を据えられ反省した。手技ができていい気になってたのがよろしくなかった。一緒にローテする人が増えて負担が1/2に減り、
時間ができたので、
・輸液の勉強:コウメイ先生の本
・人工呼吸器:Dr。竜馬
・抗菌薬:スタンフォード
・同効薬の使い分け
を中心に読み進めつつ、
・当てる必要がある患者さんには自分から空いた時間でエコーを当てる
などして自分から動いている。夏休みまであと1ヶ月走り切りたい。これからマッチングの方、健闘を祈ります。
研修医になって2ヶ月で思うこと
医者がモテるなんてことはないし各病棟に一人セフレがいるとかは多分
パラレルワールドの話。
ということが本題ではなく、研修医生活2ヶ月過ごして思ったことをつらつらと
・輸液と抗菌薬はもはや言語、どの病棟でも使う
・外科のローテはひたすらOPEではない。術前術後の全身管理も重要。離床は?食事形態は?みたいな
・栄養と人工呼吸管理ももはや言語
・この時代職があってお金もらえるだけ幸せ者
・だからこそできないなりに学びにいく
・国試の勉強と臨床の勉強は経路が全然違うけど、でも国試の勉強は普通に活きる(回数別でやった病態だ!って進研ゼミ状態になる場面もあった)
・救急科回ってる奴、経験値のたまるスピードぶっ飛んでる。はよローテしたい
・一番の勉強はカルテをじっくり追うこと
また一区切りついたら書いていこうと思います
(随時更新)個人的にいいと思った研修医本
外科ローテで疲弊しています善医つです。自分でやってる勉強の中で良かったものをささっと列挙していきます(以下常態)
◉外科系の本
・イラストレイテッド外科手術
一般外科用の本。タイトルの通り腹部手術で大事になってくる膜と膜の関係をイラストにしたアトラスである。術野の見え方が手術の順を追って説明されており、血管系神経系の位置関係はもちろん、リンパ節の番号まで書いてある。解剖書とかで学んだ解剖を思い出しつつ、術野のイメージに変換する一冊だと思う。手術の予習するときは、後述するわかる見えるでイメージを掴んでこの本を読んでどんな見え方するのか確認している。
・見える・わかる外科手術
こちらは前述したイラストレイテッドを平易にしたイメージ。手術の概略とか、縫合やCVポート造設のような手技的なことまで説明されている。解剖に関することがそこまで詳しく書かれている訳ではないが、手術の流れのイメージとポイントを掴みやすくなっている。脳外科以外の外科手術、産婦人科の手術が取り扱われている。外科回るときはまずこいつから入るといいのでは。
医師国家試験終えて
第114回医師国家試験を受けた皆様お疲れ様でした、そして受かった方おめでとうございます。ギリギリとはいえ受かってたようなので隙自語しようと思います、これから受ける人にも反面教師的な感じで参考になれば幸いです。
ここに書くのは主に時系列順にやっていたことです。教材に関して詳しいことは別記事にまとめますのでそちらをよろしくお願いします。赤字は反省点、青字はいいムーブだったと思う点。大学ごとに境遇が違い自分の経験が誰にも当てはまるとは限らないので背景に軽くまとめておきます。このやり方が万人に通用するなどあるわけないし、他にも優秀な方が沢山立ち回りを書いてくださってるかと思います。あくまで一個人の国試までの流れですよって前提で読んでいただければと思います。
〜背景〜
・使用教材はMEC、QA、medu4は究極マップだけ
・基本一人で勉強、ツイッター眺めて情報収拾してた
・スペックは相当低い、再試もちょいちょいかかってた
・卒業試験はその先生方独自の分野内容といった要素は少なめで立ち回りやすかった
・ポリクリ期間が比較的長い、卒業試験は割とすぐ終わる
(以下常態で、時系列で)
【〜5年終わり】
CBTは合格点ギリギリで通過。にも関わらず秋まで1ミリも国試の勉強はやっていなかった。ポリクリの質問は全部わかりません一辺倒。自分の大学は6年の秋に卒業試験があるのだが、そこまで1年を切ったあたりでポリクリの合間に勉強する同期を見かけるようになったので、自分もきちんと本腰入れようと思い勉強を始めた。MEC臓器別はメジャー小児産婦を完走した状態、その時はまだQB購入してれば無料で見れたQ assistを使ってマイナー科目を進めた。MECでマイナーをきちんと消化したのは耳鼻科と整形くらいだった気がする。小児科は好きな科目ということもあり結構吸収できたが産婦人科は結構あやふやだった。Q assistに関しては12月ごろから進めたが、あまりの素晴らしさにこれ春からやればよかったとアホほど後悔した。一緒に勉強するような友達がいなかったのでこの頃からtwitterで情報収拾していた。
【6年春】
QAが神コンテンツと判明したので課金制になっても継続してやることにした。
メジャーマイナーのQB1周目問題をきちんと1周した。循環器は苦手すぎたのでQAも進めながら復習した。春メックで産婦人科の苦手が浮き彫りとなったのでQA産婦人科を1周した。QAを見た後にMECのテキストを見直したらあやふやなところがかなり解消された。GWくらいに確か公衆衛生のQAが配信になっていたので5月末までを目標に一周。QAのメジャーを進めつつ臓器別の内容をなぞるように確認していた。病院見学とかでも対応できるように救急のmec、QAも一通り見た。QA輸液もこの時期に受講した。
【6年夏】
大事な時期にも関わらず病気してしまう。その上マッチングの準備もあるのでほとんど勉強できなかった。mec症候学を見てあとはQBオンラインをポチポチしていたくらいだった。あとはQA小児科を手薄な分野だけチェック。夏メックや1テコがある頃にはうっすらやった公衆衛生が抜け落ちが多くフルボッコにされた。前期講座の復習の残ったところも慌ててやってた。
【6年秋】
一番時間の使い方を間違えてたと考えられる時期。
ポリクリが長かったのでこの時期もまだ実習の合間に国試勉強する日々が続いた。そのあとは割とすぐ卒業試験やOSCEとかなりタイトなスケジュールだった。卒業試験が割と国試ベースの出題が多かったので前期講座のテキストを見直しつつQBを1周目問題以外も含め全問こなした(放射線と医学概論の範囲以外)。麻酔科のQAがこの頃配信だったのもあり、救急中毒麻酔の範囲は手薄になりがちだと考えここでしっかりやった。卒業試験のあとはMECサマライズメジャーマイナー、QB公衆衛生をこなした。MECサマライズは予想もさることながらだが個人的には病態の説明が吸収しやすくそっちにメリットを感じた。この時期はサマライズほぼ一色の勉強になっていた。サマライズの必要性に関しては毎年物議を呼ぶらしいので、別記事にでも。必修対策として必修QBもやり始める。秋の終盤にあった第3回のテコム模試のパンリンが8割を超えていて慢心してしまっていたのがのちに悲劇を呼ぶことになる。
【6年冬、年末まで】
ここまで読んでてすでにお気付きの方もいるかもしれないが、そう、この男ここまで一度も回数別3年分をがっちりやってないのである。結果として冬メックで偏差値40が出てしまう(本番なら問題ないラインではあるけど)。ここで自分が読んで見たのが「国試のトリセツ」という著書である。https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758118385/
この本のエラー集のページが非常に良く、受験勉強で陥りがちな失敗を列挙されている。ここのページを読んで確実に過去問演習の不足を感じた私は12月半ばから急ピッチで3年分を進めて年末までに走りきった。3年分の進め方に関してはまた別記事で。11月からやってた必修QBも年末までに完走。圧倒的信頼を置いていたQAが冬季講習を配信するということで不安な教科だけやった。輸液もう一回きちんとやっとこうと思ってQA輸液復習。サマライズはほぼ完全に切って直前に余裕があればさっと眺めるか、くらいに割り切った。この判断をしなかったら多分もっと悲惨な結果になっていた。
【6年直前期】
認知症レベルで忘れる、という話に聞いていた通りひたすら忘却との根比べ。そこで兼ねてからやろうと思っていたmedu4の国試究極mapを視聴。配信が追加されたら即受講するペースで1月半ばには1周してた気がする。回数別2周目、きちんとやると意外に時間がかかる。解説をちゃんと読んで、外れ選択肢をしっかり確認して、鑑別のポイントは文中のこの項目で、みたいなのを延々やってた。不安な事項は前期講座に戻って見直しての繰り返し。必修は1月前半はQBの間違ったところを確認、RB読む、MEC症候学もテキスト読み直す。終盤はQA必修・禁忌が配信になったので受講。必修が本当に弱かった自分は、ほぼほぼこいつのおかげで本番勝てたと思っている。MEC直前予想、LAST MESSAGEはどちらも受講。精神安定剤って意味では結果的に受けてよかったと思う。この二つは1回受講してこの量を残された時間で完璧にするのまあ無理やろって思い3年分と心中する覚悟ですぐそっちに戻った。とにかく予想系は深入りせず3年分と必修対策に全集中した
最後2週間くらいは
・3年分の見直し
・究極マップ周回(結局3周くらいで終わった気がする)
・QA必修禁忌
ほぼほぼこれらの見直しに終始していた。他をやる時間的余裕はなかった。テコ4の結果は50ちょいオーバーくらいで持ち直していたものの必修はスレスレで精神的にかなり追い詰められてた。終盤はメンブレしまくりでなかなか詰め切れなかった部分が多かったと思う。本番は必修はいつもよりいい手応えがあって大丈夫そうだと思ってて、パンリンはまあいつも通りくらいの点数かなって思っていたらみんなパンリン8割くらい取れてたらしく不合格を確信した。蓋開けたらギリギリ受かっててよかった。
さて、反省点とそれに対して相応しいと思われる解答を書いていこうと思います。
・一人で勉強→友達いる人は一緒に勉強した方が間違いなくいいです
・病気で勉強が遅れた→体調管理は国試が終わるまで最重要、新型コロナがあと少し早くに来てたら今年の国試どうなってたかもわからない
・マッチングの準備は案外時間を取られるので余裕を持って勉強を進める。5年のうちに究極マップ見てる人もいたけどそれができるのが理想かもしれない。
・3年分やるのがあまりに遅すぎた→多分いろんな人がいってる気がするけど夏の模試までに1周がベストだと思います。勉強仕上がってきた終盤に「よーし実力確認や!」ってスタンスでやるものではない。
・終わってみれば情報の優先度は圧倒的に 3年分>>サマライズ くらいの感覚だった。せめて秋頃に3年分やればよかった。あくまで終わった後だからこその話だけど
・息抜きする期間はきちんと設ける。自分は遅れを取り戻すために卒業試験後もあまりペースを変えず勉強を続けたが、空回りして直前期かなりしんどかった、あの時期少しは休むべきだった
以上となります。色々と方針間違えてた節があるので皆さんは二の舞ならないように気をつけてください(猛省)。次は教材、予備校のお話をしようかと思います。
質問などはtwitter(@upopomed81)までお願いいたします。